みなさんこんにちは!
今回は、大人気作品で、漫画もアニメも映画もブレイクした
北海道漫画の金字塔
ゴールデンカムイ
から
日露戦争時、日本軍最強の部隊、第7師団より
鶴見中尉(鶴見篤四郎)
を紹介します!
結論からこのキャラを一言で表しますと、、、
周りの人を偽りの愛で魅了する、鶴見劇場の総支配人!!
です!!
ぜひ最後までお付き合いください!
※本記事はゴールデンカムイのネタバレを含みます、ご了承ください!
このキャラのサイコパスチャートはこちら!
| 残虐性★★★☆☆ | 基本的に残虐な行為は少ないが、二階堂が尾形を逃げられた時、片耳を無くした二階堂に対し、 「美少年の条件は左右対称」といい、 残りの耳も切り取り、 その耳に対して、 「造反者は他に誰がいる」 と怒鳴りつける。 ここの一幕はとても残虐であったので★3 | 
| カリスマ性(魅力)★★★★★ | 部下からの信頼が厚い。鶴見のことを不審がってると思われていた尾形もまた、鶴見に魅了されていたことがわかり、 第7師団の主要な部下からは全員信頼されている。 また自分より高位な将官、赤の他人の剥製師からも好かれており、人を魅了するサイコパスのエキスパートといえる。 | 
| 芸術性★★★☆☆ | そもそも56しに美学などないタイプだが、 剥製師の芸術における美学を理解しており、 また銃器の造詣が深く、 銃器の開発者、有坂中将とあった際に、 「美しい、、、美しさがこの銃の機能を物語っている」 と述べており 「たくさん売れれば、沢山の人が4ぬ」と憂いている有坂に 「美と力は一体なのです、美しいものは肯定すべきです」 と美と力に対する特殊な考えを述べていた。 サイコパスとはまた別な芸術性だが、独特な芸術性には★3 | 
| 人心掌握★★★★★ | 圧巻の★5。カリスマ性でも述べたが、鶴見のカリスマ性は 本人の人心掌握術が高いことにおいて他ならない。 鶴見は”相手が何を求めているのか”を見抜くことが上手で、 相手が望んでいることを、どんなに手間がかかっても、叶えることで信用を得ている。 また何より、信用を得るために裏工作されていたことに本人が気付いても、それでも鶴見中尉に着いていく部下が多く、それもまた鶴見の魅力からなのだと思う。 | 
| 人当たり★★★★☆ | 敵には辛辣だが、部下には優しく、中立な相手には紳士的な振る舞いをする。 ただ、部下の顔に落書きしたり、将官のサスペンダーを引っ張ったりする奇行が見られるので少し落として★4 | 
あらすじ
日露戦争時に
「不死身の杉元」
と恐れられた
杉元佐一
は、
戦後、莫大な金塊を求め北海道へ。
そこで知り合ったアイヌの少女、
アシリパ
と共に、
日露戦争の最強の師団
「第7師団」
や、幕末の生き残り
「土方歳三」たち
と金塊争奪戦に身を投じる事になり、、、
鶴見中尉について
本名 鶴見篤四郎
誕生日 12/25
新潟(越後の長岡藩)出身
好きなもの 和菓子
嫌いなもの 酒類
特技がピアノ
柔道は師範
第7師団の陸軍中尉であり、
情報将校である。
普段、仮面を被っており、
仮面の上からでも、顔や頭に大きな傷があることが伺える。
戦争の傷痕
鶴見中尉の顔の傷は、
奉天会戦
の時に負っており、
後述しますが、部下の
月島軍曹
を砲撃から庇って負った傷です。
なんとか一命を取り留めたものの
その傷は深く、
鶴見中尉は興奮状態になると、
頭から脳汁が流れてしまう
後遺症を負ってしまいます。
しかし、当の本人は、この傷により
男前になった
と述べており、
月島軍曹のことを気遣ったのか、
本当に思っているのか
わからない所です。
カリスマの片鱗
鶴見中尉は日露戦争時に、
上層部からの無茶な作戦を強要され、
多大な犠牲を出しつつも、
戦争を勝利に導いた
とされています。
しかし、本人はこの作戦を快く思っておらず
上官の大尉に反抗的な態度を取り、
それによって大尉から
「貴様が陸軍に戻る場所は無いと思え」
と指をさされながら言われると、鶴見は
大尉の人差し指を噛みちぎります。
正気でないと判断した大尉は部下たちに
「撃て」
と命令するも、その瞬間、
部下から撃たれてしまう大尉。
鶴見はすでに根回しをして、上官を裏切る手筈を整えていたのです。
そして鶴見中尉は日清戦争を思い返し、

戦友は今でも満州の荒れた冷たい石の下だ
「我々の戦争はまだ終わっていない」
と言い残します。

ここでは、鶴見中尉の
人差し指を食いちぎる
異常性
と
根回しをして、身の回りを味方につける
カリスマ性
が垣間見れますね。
名探偵ツルミ
鶴見たち第7師団は、
不死身の杉元を捕えることに成功します。
尋問し、軍門に下ることを勧めるが、
応じない杉本
そのままアイヌの隠した莫大な金塊の手がかりになる
入れ墨人皮
の所在を吐くまで尋問するつもりでしたが、
部下が、鶴見の命令を無視して
杉本を襲い、部下は死亡。
杉元も
自身の腸を出してしまう程の重症
を負ってしまいます。
杉元を4なせるわけにはいかないので
すぐに杉本を病院に送る鶴見ですが、
鶴見は現場を見返して疑問が残ります。

この死体、、、妙だな
右手に深い傷、防御創であることを看破し、
そのままナイフを握り、
左手にナイフを持ち替えないことを
不思議に思い、4体になった部下に対し

貴様はこんな手で杉元と刺し違えたのか?
と囁きます。
そして部下のベルトの裏側にまで血がついている事に気づき
ベルトを外すと、
部下の腸が盗まれている
ことに気付きます。

ここでは、4体になった部下に語りかける
異常性
も去ることながら、
情報将校ならではの
推理力
が垣間見えます。
カリスマ性のみならず、頭もキレる人物のようです。
英雄の光と影
第7師団の谷垣から鶴見中尉の話を聞く杉元たち。
杉元に
「なぜ第7師団を乗っ取ろうとしているのか?」
と聞かれ、谷垣は
「旅順攻囲戦だろう」
と呟きます。
鶴見中尉は日露戦争時、
203高地攻略
に否定的だったが、命令に従うしかなく、
次々と死んでいく戦友を弾除けに、堡塁の機関銃を破壊し攻略しました。
鶴見中尉は
203高地山頂に国旗を突き立てた小隊長
であり、
戦争の英雄
といっても過言じゃありません。
しかし、第7師団は将兵を半分まで減らし、
さらに軍の上層部からは
勲章や報奨はおろか
格下げ扱いされてしまうのでした。

軍事政権を作り、私が上に立って導く者になる。
そう部下たちに宣言する鶴見中尉は
アイヌ民族が隠した莫大な金塊を分け合うのではなく、
金塊を資金にして武器工場を立て、
父親をなくした子供、夫を無くした妻たちに、
長期的に安定した仕事を与え、
日々の生活すらままならない状況から救い出す
ことを考えており、

それが死んでいった戦友たちへの、せめてもの餞である。
と意思を伝えるのでした。

ここでは、鶴見中尉が金塊を狙う意図が判明するシーンです。
自分のため、もしくは友のために金塊を狙う杉元たちと対象的に
国のため、4んでいった戦友のためといった
”大義のため”
に動く鶴見中尉が印象的です。
「美男子の条件は左右対称である。」(耳ザク−)
部下の尾形を不審がっていた鶴見は、尾形のお供に二階堂をつける。
しかし、二階堂は、みすみす尾形を逃してしまい、
戦闘の結果、
片耳を失う
といった負傷をしてしまいます。
二階堂に対し鶴見は、
片耳になった二階堂の
残ったほうの耳を手に取り

美男子の条件は左右対称だと言われておる
といい、
残った耳を切り取りとってしまいます。
そして、切り取った耳に向かって

造反者は他に誰がいる
と叫びます。

ここでは、小指を食いちぎるに次いで、
鶴見の狂気
が垣間見えます。
あまり残虐なことをしない鶴見の貴重な残虐性とも言えます。
もちろん、これらの行為に
周囲の部下はドン引きです。
鶴見劇場〜尾形編〜
鶴見中尉は、日露戦争後、
尾形百之介
をそそのかし、
当時の第7師団師団長だった
花沢幸次郎中将
を旅順攻囲戦の責任による自刃
に見せかけ、尾形に
暗殺させていました。
そこには、日露戦争の結果、
多大の犠牲を出した第7師団が
中央から責任を問われるも、
それに対し、責任を感じた花沢中将の自刃したことにより生じる
残された第7師団の結束を強めるため
でした。
尾形は実は、
花沢中将と不倫相手の間の子
であり
花沢中将の息子
でもありました。
しかし花沢中将は尾形のことを認めず、
鶴見はそこに付け入り、尾形に暗殺させるのでした。
その後、鶴見は尾形に

花沢中将のご令息を担ぎ上げる、失った軍神を貴様の中に見るはずだ
よくやったぞ、よくやった
といい、
尾形の腿に手を置きます。
それに対し尾形は内心に
「たらしめが、、、」
と思っているのでした。

ここでは、
窮地に陥った第7師団のモチベーションアップ。
並びに邪魔者(花沢中将)の排除。
そして優秀な部下(尾形)への、たらしこみ。
といった鶴見のあまりにも華麗な手口を垣間見えます。
私も鶴見にメロメロです。
尾形の言葉を借りるなら
このやり口、、、たらしめが///
ですね。
鶴見劇場〜月島篇〜
月島軍曹の過去
鶴見と会う以前、月島は死刑囚でした。
月島は地元が佐渡で、
「いご草」
という渾名の女性のことが好きでした。
なぜなら、いご草ちゃんは、
人56しの息子
と忌み嫌われていた月島に
分け隔てなく接してくれた女性だったからです。
しかし、月島は日清戦争に出兵。
「戦争が終わったら、二人で駆け落ちしよう」
と約束するも。
戦後、地元に戻った月島は、
自分が戦死した
と佐渡に伝わっていることを知り、
いご草ちゃんはショックで
身投げした
ことを知ります。
月島は偽りの情報を流した元を辿ると、
情報元が
実の父親
だと知ると、
その父を◯害。
そうして月島は死刑囚になってしまうのでした。
自分に会いに来た鶴見に、事の顛末を伝えると
鶴見は

えご草ちゃんは自殺なんかしとらんかったぞ
と言い放ちます。
驚愕する月島。
鶴見曰く、いご草ちゃんは佐渡の鉱山を買い取った会社の人に気に入られ、
そのまま「ぜひ息子の嫁に」と誘われたのでした。
いご草ちゃんに嫁いでもらいたい両親は、
「月島が戦4した」
と嘘を流し、いご草を嫁がせ、月島が奪い返しにこないよう、
「いご草は身投げした」
と、
娘の4を偽装
をしたのでした。
それを知った鶴見は東京にいる、いご草ちゃんに会いに行き、
彼女の髪の端を譲り受けたと、月島に渡します。
そうして月島の信頼を得た鶴見は、共に日露戦争に従軍するも、
奉天会戦の折に、月島は、
同郷の兵士
に声をかけられます。
そうすると、その兵士からこう告げられるのです。
「あんた海岸で女の子探しとっただろ。あんたが捕まったあとに見つかったぞ。遺体が見つかったんだ。」
それを聞いた月島は激怒し、鶴見に迫ります。
「どうしてあの子の骨が親父の家の下から見つかるのか?」
と。
それを知り、どうして黙っていたのか追求する月島に、鶴見は

お前が死刑を受け入れていたからだ
と言い放ります。
続けて、
生きるのを諦めていた月島を

誰よりも優秀で、同郷の信頼を置ける部下であり、そして私の戦友だ。
と伝える鶴見。
しかし
「いご草ちゃんのことを嘘に利用してほしくなかった」
という月島に対し、

月島の親父が、えご草ちゃんを56したなんて盛り過ぎな話だと思わんか?
といい、いご草ちゃんの遺骨が親父の家から出たのは
鶴見が月島を救うための”工作”であり、
いご草ちゃんは未だに
東京で生きている
と伝えられる月島。
しかし月島は死んだ目で
「ああ、、、そうですか」
といい、続けて
「鶴見中尉に救われた命ですから残りはあなたのために使うつもりです」
といいます。
鶴見は

その言葉が聞けてよかった
と月島の肩に手を添えます、
テントの外にいる、月島と同郷の兵士に目配せしながら、、、

ここでは、
月島を支配するために、
同郷の兵士
を使い、
”鶴見劇場”
を見せることで信頼を勝ち取る鶴見が垣間見えます。
情報が錯綜し、筆者も何が本当かわからなくなりそうな
情報戦
でした。
ただ、テントで月島を懐柔する鶴見が陰で
同郷の兵士と鶴見が繋がっていること
がわかった瞬間、
私は震えました。
鶴見劇場〜長谷川幸一編〜
長谷川幸一はウラジオストクで写真館を営んでいた。
彼にはフィーナという妻に、オリガという娘までいました。
そんな長谷川の下に3人のお客さんがやってきた
キロランケ
ソフィア
そしてアシリパの父、
ウイルク
である。
ウイルクは、
「日本人がいると聞いて、日本語を習いにやってきた。」
という。
長谷川は快く引き受け、日本語を教えるも、
ある日、長谷川はフィーナにオリガを連れて、実家に戻るように伝えます。
「絶対に戻って来るな」
と。
その事実を知らないキロランケたちは、
普段通り、長谷川の所に向かうも
ロシアの秘密警察がやってきます。
ロシアからお尋ね者だった3人は、
”居場所がバレて捕まえにやってきた”
と思い、キロランケたちは秘密警察相手に戦うも、秘密警察たちは
「日本人を捕まえに来た」
といいます。
実は警察のターゲットは長谷川であり、
長谷川は日本軍のスパイだったのです。
キロランケたちは、それでも長谷川と一緒に秘密警察を撃退。
しかし、ソフィアはその渦中、
誤って戻って来てしまった、
フィーナとオリガを◯害してしまいます。
長谷川はフィーナを抱きかかえるも、助からないことをわかった上で、キロランケたちに
「早く行きなさい」
と見逃します。
その場に残された長谷川とフィーナ。
フィーナは最後に長谷川の名前を呼ぶも
「私の名前は長谷川幸一ではないんだ」
と告白します。
続けて彼はこう告げます。

鶴見篤四郎
長谷川幸一とは、過去の鶴見中尉当人だったのです。
そうして鶴見はフィーナ、オリガと家を焼き払い、その場を後にするのでした。

ここでは、
鶴見がアシリパの父であり金塊の隠した張本人、ウイルクと接点があった事が発覚します。
そして彼らとの接触で、
妻と娘を失う
ことになります。
鶴見劇場〜鯉登少尉編〜
場所は鹿児島
鯉登少尉こと、音之進が14歳の時、
西郷隆盛の墓参りに来ていた鶴見と出会います。
その時に
景色がいいからと
月寒あんぱん
を一緒に食べます。
その際に鶴見は、音之進が
亡くなった兄にコンプレックスを抱いている
ことを知り、去り際に

また会えたら、お互いに友人になれという天の声に従おうではないか
と言い残します。
そして時は過ぎ、函館。
音之進が16歳の時、
ロシア語を話す人物たちに誘拐されてしまいます。
音之進救出の白羽の矢が立ったのが、鶴見中尉。

ロシアが関わっているとなれば自体は深刻だ
と鶴見は、音之進の父、
鯉登中佐
に進言します。
一方、誘拐された音之進。
犯人から食料を与えられるも、
出てきたのは
月寒あんぱん
異変に気づく音之進。
しかしそのあんぱんは
賞味期限を切らしており
取り上げられてしまいます。
そして事態は進み、音之進の居所を突き止めた、鶴見と鯉登中佐は居所へ突入。
音之進は激しく抵抗するも、頭に銃口を突きつけられロシア語で
「ボンボンが」
と言われます。
そして音之進を柱に拘束し、犯人グループは鯉登中佐を始末しに向かうも、銃声が飛び交った後、出てきたのは
鶴見中尉でした。

やはりまた会えたね
という鶴見。
鶴見は中佐の無事を確認した後、音之進に
「この男たちに食べさせられたのは月寒あんぱんでした」
といわれます。鶴見は

歩兵第25連隊だけに配られてるもの、最近までここは陸軍が使っていたから誰かが忘れていったんだろう
といいます。
それに対して音之進は
「まさか、あの時の月寒あんぱんの人が、おいを助けてくれるとは運命でごわすな」
と述べています。
そして鶴見の部下3人が犯人の遺体を処理しに、やってきます。
月島、尾形、菊田の
鶴見の腹心3人
である。
そして現在に戻り、尾形に銃口を突きつけられる形になった鯉登少尉。
そして尾形にロシア語で言われるのであった
「ボンボンが」

ここでは、
部下が月寒あんぱんを食べさせて、
鯉登に勘付かれてしまったこと
への鶴見の
リカバリー
が垣間見えます。
賞味期限切れで、後の鶴見の発言(最近まで陸軍が演習していた)と整合性が取れないことから
突発的に起こったアクシデント
だと考えられます。
不測の事態に対し、
流れるように嘘をつき、うまく運命を演出する機転の良さ
それが鶴見の真骨頂なのではないかと筆者は思います。
欺かれてもなお、、、
尾形に襲われたその後、
鯉登少尉は尾形に言われた「ボンボン」の件について、月島に、
鶴見中尉のことを疑っている
ことを打ち明けます。
尾形が「ボンボンが」といった事、
自分を拉致した犯人の一人が尾形で、
月島も犯行グループにいたのではないか?
尾形の父、花沢中将の自刃も鶴見中尉の差し金じゃないか?
疑いが確信になりつつある鯉登は
「父上の前で全部明らかにさせる」
というと月島は
「あなたたちは救われたじゃないですか」
と呟きます。
そうして月島は
「私もやられたんです。随分と手間がかかった芝居を、、、」
といいます。
月島も同じく鶴見中尉のことを疑っていたのだ。
そして月島は
「(鶴見中尉は)私を救うのにどれだけ労力を費やしたのか訴えるわけです」
「彼のためなら汚れ仕事を進んでやる兵隊を作るために」
「彼は甘い嘘で救いを与えるのがお得意です」
しかし月島は続けて、
「でも、鶴見中尉が行こうとしている先で、願えが叶えば、彼について行った者たちは救われるんだから、、、」
といいます。
そう、月島は騙されていたのに気づいてながらも鶴見を庇うのです。
鯉登少尉も
「月島、お前どうして、、、」
というと
「だって何かとんでもないことを成し遂げれるのは、ああいう人でしょう?」
「私は鶴見劇場をかぶりつきで観たいんですよ、最後まで」
と述べます。
それを聞いた鯉登少尉は
「鶴見中尉スゴ〜〜〜イ!!」
「それじゃあ鹿児島で会ったのも仕込みってこと?あんな誘拐劇までして、、、そんな必要とされていたなんて嬉しい!!」
と、
更に鶴見に夢中になるのでした。

ここでは、
鶴見の部下たちの
鶴見に対する本音
を垣間見ることができます。
結果的に、鶴見劇場の真実を知ってしまった月島と鯉登。
しかし彼らは騙されていたと分かってなお
鶴見という人間に魅了されてしまうのでした。
そこには、嘘の中に確かにあった、
鶴見の彼らに対する
熱意と真摯な思い
が彼らを振り向かせたのだと、私は思います。
鶴見劇場〜宇佐美編〜
明治28年 新潟県新発田
鶴見は14歳になる
宇佐美時重
と会っていました。
宇佐美には智春という柔道教室のライバルがいましたが、
宇佐美が家庭の事情で柔道を続けられなくなるというと
鶴見は

君はもっと強くなる。同年代じゃかなう奴はいない。すぐに私を追い越すだろう
と励まします。
後日、家庭の事情で道場を去ることになった智春は、
時重と最後の乱取りをしたいと申し出ます。
鶴見は見届人として参加し、二人の取り組みを見るも、宇佐美は
智春の喉を踏みつけてしまいます。
泡を吹いて震えだす智春。
しかし時重は怒りに震えています。
鶴見が時重を止めに入ると、時重が
鶴見と智春の話を聞き、智春に

気持ちの強さは時重くんに負けてない。その気持ちがずっとあればきっと智春くんの方が強くなるよ
と言っていたのです。それに対し時重は
「篤四郎さんが僕が一番だと!認めてくれていた事だけが!!僕の全てだったのにッ」
と心情を漏らします。
その後、智春は4んでしまいました。
鶴見は時重に対し

今から言う筋書きをしっかりと覚えなさい
といい、
智春は馬に蹴られて4んでしまった
と話を捏造してしまうのでした。
そうしてすっかり懐柔した宇佐美に対し、

第7師団で待ってるよ
と告げます。
また、別シーンで鶴見が道場の師範と話している時に

兵士が撃つ振りでなく、どうすれば敵を撃てるのか?
それを日清戦争を得て見つけた気がする
と言います。

敵兵への憎しみでもなく、恐怖でもなく、政治思想の違いでもない、、、
それは?と師範に聞かれると

愛です
と述べる鶴見。

しかしそれは罪悪感との戦いになります。
いかに部下との愛を育み、どんな汚れ仕事でも従う兵士を作れるのか、、、それが指揮官の課題でしょう
と述べるのでした。

ここでは、
鶴見が何故、鶴見劇場を披露してまで
部下に魅了をしていたのか?
が垣間見えます。
鶴見は意図的に
立派な兵士
を作るために、愛情を注いでいました。
また宇佐美には
共犯と二人だけの秘密
を共有することで、より親密になる芸当を使っています。
再会
アシリパ、ソフィアを捕えた鶴見は、人払いをし、
過去の話をします。
自分が日本語を教えた、長谷川本人であること、
嫁のフィーナ、娘のオルガがあの日、亡くなってしまったこと。
金塊の行方をくらました元凶について、、、
そして妻と娘を殺害した張本人が、
ウイルクであること。
それに対して、復讐で動いていたのかと聞かれ、鶴見は

あくまで日本国の繁栄である。我々が進むべき道の傍らに自分の小さな弔いがあるだけ
「個人的な弔いだけのために道をそらすということは、断じて無い」
といいのける。
それを机の下に隠れ、陰ながら聞いていた月島と鯉登は喜ぶが、
鶴見の話の後、ひっそりと教会を抜け出すが、外を見回りしていた別の兵士から
ビールの匂いがする
と言われます。
そう、鯉登や月島は、ビール工場でビールを浴びてしまい、
鼻がおかしくなって異臭に気づけないでいたのだ。
教会で、机の下に隠れた二人。
その近くまで見回っていた鶴見は、
二人が隠れていることに気がついていたが、見逃していたのではないか?
鶴見が言った、
「日本国のため」は本当なのか?
二人の間に疑念が残るのでした。

ここでは、
鶴見があえて、
”月島たちが隠れていること”
を逆手に取り、
本人たちが安心できる甘言
を吐いた。という
計算高い一面
を垣間見ることができます。
また、この教会のくだりで、鶴見が
妻のフィーナと娘のオリガが遺骨
を持っていることが明らかになります。
月島の話から、
日頃から大事にしていた
とのこと。
私は鶴見にとって、
偽装結婚みたいなもの
だと思っていましたが、
もしかしたら、彼なりに
家族に対する気持ちがあったのかもしれません。
懺悔と赦免
ついに隠された金塊の場所がわかります。
それは函館の五稜郭
そこで金塊争奪戦を繰り広げることになる杉元、土方たちと対するは第7師団。
五稜郭で防衛網を貼る杉元たちだったが、次第に第7師団に押され始め、杉元たちへの応援でやってきたパチルザンの頭領
ソフィア
は激しい戦闘のさなか、鶴見と再会します。
鶴見を見た途端、ウラジオストクでのことがフラッシュバックし、銃の引き金を引けなかったソフィアは、
鶴見に銃撃を受けてしまいます。
瀕死で横たわるソフィアを見下ろす鶴見。
死に際に、懐から一枚の写真を取り出すソフィア。
その手には、長谷川だった頃の鶴見に撮ってもらった記念写真が握られていた。
ソフィアはそっと口を開き
「私達さえ来なければ、、、」
「ごめんなさい」
と鶴見に告げます。
それを聞いた鶴見は

ずっと苦しんでいたんだね
君を許すよ
と言い残し、
ソフィアに止めの銃撃を放ちます
そしてソフィアに言い放つ。

君のこと”は”許した
と。

ここでは、
鶴見は言葉にはしてませんが、
彼が心に抱えてる
ウラジオストクの出来事に対する本心
が垣間見えると私は思います。
というのも、鶴見はソフィアを捕まえた時に、
妻と娘を56したのはウイルク
ということを伝えており、
ソフィアは自分が56したのではないか?
という誤解を解いてました。
しかし、五稜郭で対峙した時
ソフィアが
「私達さえこなければ」
といったことで鶴見は
ウイルクだけでなく、
ウイルクを連れてきた2人
のことも憎くなったのではないかと思うのです。
事実、鶴見はソフィアに
「君を許すよ」
というものの、止めに
過剰なほどの銃撃を浴びせます。
このことから鶴見は、
かなり根に持っているのでは?
と私は思うのです。
鶴見劇場〜尾形編第二幕〜
戦場は五稜郭から汽車に移り、逃げる杉元たちを、
第7師団の鶴見、月島、鯉登が追ってきた。
しかし、もう一人やってきていた人物がいた。
尾形上等兵である。
先頭車両にて、鶴見中尉と再会する尾形。
尾形は鶴見に問いただします。
「鶴見中尉も土方歳三もお互いこんな被害が出ると思ってなかったでしょう?圧勝する戦いだと、、、」
「もう終わりでしょう?権利書が手に入ったところで、どう責任を取るつもりですか?」
と。
何も言わない鶴見に尾形は
「あなたは表舞台から姿を消して、私の出世のために尽力するしかない」
と言い放つ。それに対し鶴見は

やはり第7師団長の肩書が欲しいのだな
と言い、続けて

私が追い詰められるまで待っていたわけか?
と言うと、尾形は
「あなたが満州だのウラジオストクだのアヘンだの鯉登少尉だの月島軍曹だの宇佐美上等兵だのキョロキョロよそ見ばかりしているからでしょうか!」
と言い放ちます。
また尾形は
「鶴見中尉はこのまま死亡を偽装し、私が第7師団長へ駆け上がるために暗躍してください」
と伝えます。
それを聞き鶴見は

操り人形となって空っぽの権威だとしても、死ぬまで母君が愛した男と同じ椅子に座れたら満足だと、、、
百之介、つまりお前は、、、”第7師団長なんぞ偽物でも成り上がれる”と証明したいのだろう?
と言い放ちます。
続けて

母君を捨てた男も選ばれたその息子も大して立派ではなかったと、、、
欲しくても手に入らなっかものは価値などなかったと確かめてやりたいのだ。
と言うと尾形は
「そのとおりです!!やっぱり全部わかってくれてたんですねぇ鶴見中尉は」
と嬉しそうな表情で言うのでした。

ここでは、
ただ一人、鶴見に服従していなかった
と思われていた尾形も
鶴見劇場の虜
になっていることがわかるシーンでした。
中でも、鶴見の尾形に対する
動機
だったり
気持ちの理解
が半端ないシーンでもあります。
相手の欲していること、伝えたいことを言わずともわかる鶴見の
メンタリズム
は相当なものだと思います。
決断と本心
汽車の上で、土地の権利書を巡って争奪戦をしている鶴見と杉元とアシリパ。
アシリパから権利書を奪うも、杉元に隙をつかれ
銃剣で切られてしまう鶴見。
その際に仮面と、権利書を入れた矢筒の帯を切られてしまう。
素顔が露わになった鶴見、
権利書
と一緒に、
フィーナとオリガの形見である遺骨
を落としかけます。
どちらかしか取ることのできない状況。
とっさの判断で鶴見が拾ったのは
権利書
でした。
そうして遺骨は、汽車の下に落ちてしまうのですが、
この時、鶴見は
寂しそうな、吹っ切れたような、何とも言えない顔
をします。
その隙に再度アシリパに矢筒を奪われてしまう鶴見。
アシリパは態勢を崩し、落下しそうになると、杉元はすかさず助けに入ろうとするが、鶴見が妨害、杉元を倒し刀で貫いてしまう。
そして落下しそうになっているアシリパに、鶴見は

愛するものは、ゴールデンカムイにみんな56される
全部お前の責任だぞ、ウイルク!!!
と語りかけます。
しかし、杉元は倒れながらも、アシリパを掴み汽車の外へ投げつけます。
投げられた先には馬に乗って追ってきていた白石と谷垣がおり、アシリパは脱出するも、
汽車は制御を失い、終点の駅に速度を落とせず、突っ込んでしまいます。
汽車の上には杉元と鶴見だけが残され、杉元は鶴見から拳銃を奪い、
鶴見の腹部に銃を突きつけ発砲。
そのまま汽車は駅を破り、
二人は海の底へ沈んでしまうのでした、、、

ここでは、
鶴見の、亡くなってしまった
”妻や娘への思い”
そして、究極の二択を迫られてしまった時の
”鶴見の本心”
が垣間見えます。
というのも、冷徹で
国家
や
戦友
のために動き、私情は
本筋のついでくらいなら弔う
ような動きを見せていた鶴見ですが、
妻と娘を56した、ウイルクに
尋常じゃない怒り
を表し、その娘のアシリパに
罪を精算させようとしている
あたりが、
妻と娘への思いの裏返し
なのではと私は思います。
しかし、権利書と遺骨の二択を迫られた時、
とっさに権利書を取った鶴見は
落ちていく遺骨に対して、
寂しげな顔をします
私の解釈ですが、これは、
鶴見自身も気付いていなかった、
軍人としての責務
と
夫としての家族への情
において、責務を取ってしまったこと
家族を諦めてしまったこと
に気付き、
自分の本心を知ってしまった寂しさ
なのではないかと思うのです。
終わりに
ここまで鶴見中尉について紹介してきました。
情報将校として
頭脳明晰で、
意図的に仕組んだ鶴見劇場で部下を魅了し、
日露戦争で日本を勝利に導いた
英雄
でもある彼は、
とても非情で、
残忍な一面もあり、
息を吐くように嘘をつき、
人を欺き続けた
サイコパス
でもありました。
鶴見の本心について明言されていないので、
考察するしかありませんが、
私としては、
軍人としての責務を全うし、
戦友を弔う愛情を持ち、
妻と娘のことも一時も忘れなかった、
一人の父
だったと思います。
そんな光と陰の落差が凄い鶴見中尉に
私も魅了されました。
その後、
鶴見はどうなったのか、
杉元はどうなったのか、
金塊はどうなったのか、、、
気になった方は、是非、本編をご覧ください!!
ではでは!
 
       
       
       
       
  
  
  
  
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